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絵本で結ばれた縁 塩竈うみべの文庫

絵本作家を目指し、絵本講座に通いはじめて3年半。ついに一冊目の絵本『せかいにひとつだけのえほん 三にんのおうさま』がもうすぐ発売になります。献本分の絵本が数冊、手元に届いたのが7月の中旬ごろ。まず最初にこの絵本を届けたいと思った人がいました。真っ先に思いついた人。

それが、塩竈で絵本文庫を主宰している長谷川ゆきさんです。まず、彼女に送りたいと思ったとき、これまでのことが走馬灯のように浮かび、目頭が熱くなりました。

hasegawasan

長谷川さんと出会ったのは、東日本大震災が起こった2011年のことでした。宮城出身の私には、本当に忘れられないいつまでも風化しない出来事です。幸いにも私の実家は、地震は最大の震度7だったものの、家も家族も無事でした。それでも、知人や親戚、馴染みの場所が一瞬で消えてしまったことは、本当にショックでした。

しかも、私自身、震災後、持病だったヘルニアが悪化し人生初の救急車で運ばれて入院。手術することになりました。そんな中、被災地から母が上京して子どもたちの面倒を見てくれました。退院して間もなくの4月下旬に、初めて家族で宮城に帰省しました。私はまだ杖をつかないと歩けない状態でした。それでも、塩竈の仮設住宅に友人がいるときき、洋服などを見繕って、届けにいきました。

その友人から、同じ仮設住宅にいる長谷川ゆきさんという女性の話をききました。「絵本文庫を開こうと30年かかって集めていた絵本を全部津波で流されてしまったそうだ。なんとか絵本を集められないだろうか?」私は、ネットで絵本集めるよう呼びかけてみようと決心しました。

私自身、何か地元宮城の役に立ちたいと思っていました。でも、まだまともに歩ける状態ではなく、ボランティアもできません。そんなときに、絵本を集めることなら、自宅からでもできる!そう思ってうれしくなったのを憶えています。

さっそく、自分のホームページoyacode.netをつかって絵本を集めるプロジェクトをスタートしました。方法として、最初はAmazonを使いました。まず、Amazonにウィッシュリストをつくり、長谷川さんの記憶を頼りに絵本のリストをつくりました。そして、そのなかから支援したい人が一冊を選び、長谷川さんに直接プレゼントすることができるようにしました。「絵本一冊からできる被災地支援」です。

TwitterやFacebookで呼びかけたところ、あっという間にたくさんの絵本が集まりました。自分の小さい頃に読んだ絵本を選んだ人、お子さんと一緒に好きな絵本を選んだ人。たくさんのメッセージもいただきました。そして、200冊近くの絵本がAmazonから塩竈に届けられました。

それとは別に、仙台地元のマスコミ(河北新報社)が記事にしてくれたこともあり、直接絵本を送りたいという人の問い合わせが増えました。その度に、長谷川さんにききながら、支援活動をお手伝いしました。中にはアメリカからの支援もありました。お子さんたちが募金活動などで集めたお金を文庫のために使ってほしいとのことでした。支援の輪は海をも越えたのです。

そして、最終的には、1200冊もの絵本が集まりました。本当にうれしい驚きです!

 

長谷川さんと実際にお会いしたのは、2011年8月に帰省したときのことでした。それまでは、メールか電話でのみお話していました。初めて会って、実際に大変だったときのお話をおききし、まだまだ津波の爪痕の残る塩竈を歩き、ようやく色々なことが実感できました。(そのときのレポートがこちら

お別れするときには、思わず抱き合い、お互いに涙が込み上げてきました。長谷川さんは何度も「ありがとう。ありがとう。」と繰り返しおっしゃっていましたが、お礼を言いたいのは私のほうでした。誰かの役に立て、そして、たくさんの人の想いを届けることができたこと、絵本という自分が使命とも感じていることで何かができたことが本当に嬉しく思えました。

それから、長谷川さんは文庫を開く準備にまい進されました。私は帰省する度に、塩竈を訪ねては、長谷川さんと大好きな絵本の話で盛り上がりました。長谷川さんは、「美奈子さんの絵本はいつでるのかしら?」とやさしく気に掛けてくれました。年齢は少し離れていても、「絵本」という同じ絆で繋がった大切な友人です。いつのまにか、そう思えるようになっていました。

こうして、2012年11月、長谷川さんの絵本図書館「うみべの文庫」がオープンしました。その後、週に二日の文庫運営をがんばっていた長谷川さんですが、今年の春ごろに、文庫の前の段差(地盤が沈下してできた)で転び、骨折され、なんと数ヶ月も入院することに。5月にお見舞いに行ったときには、全くベッドの上で動けず、痛々しい姿でした。長谷川さんは、そんな状態でも、なによりも文庫をお休みしてしまうことが、辛く申し訳ない気持ちでいっぱいだったようです。

そんな中、私の絵本の出版が決まり、いよいよ献本分が届いた7月、真っ先に長谷川さんのことを思い出しました。絵本が出版された喜びをいっしょに共有したいと思ったのです。

絵本を送ったのとほぼ同時期に、もうすぐ退院できる、という嬉しいニュースが逆にとびこんできました。そして、8月3日からうみべの文庫は再び開館するそうです!

長々と書きました。8月にまた塩竈に行ってきます。そのときに、自分の絵本の感想をきくのが今からとても楽しみです。いつか、うみべの文庫で、子どもたちを集めてワークショップができたらなあ、と思っています。

 

 

 

 

 

 

One Response to 絵本で結ばれた縁 塩竈うみべの文庫

  1. That insight solves the prelbom. Thanks!

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